咽頭結膜熱(プール熱)

発熱、結膜炎、咽頭炎を主な症状とする病気です。プールを介して流行することが多いので「プール熱」といわれますが、プールでのみ感染するのではありません。

病原体:アデノウイルス

潜伏期間2-14

感染経路(発生時期):飛沫感染、接触感染。目の結膜からの感染もあります。夏季に多い傾向ですが、真冬でも発生することはあります。

感染期間:感染力は症状が出て最初の数日が最も強いのですが、その後数か月もウイルスの排泄が続くことがあります。

症状:高熱(39-40℃)、咽頭痛、頭痛、食欲不振を訴え、これらの症状が3-7 日間続きます。咽頭発赤、扁桃炎(喉の奥の扁桃腺に白い膿のようなものがべったりつくこともしばしばあります)、頚部・後頭部リンパ節の腫脹と圧痛を認めることもあります。眼の症状としては、結膜充血、涙が多くなる、まぶしがる、眼脂(目やに)などがあります。

ところで、アデノウイルスにもいろいろな種類があります。典型的な「プール熱」の原因になりやすいもの、「咽頭扁桃炎」が主体で結膜炎症状が目立たないもの、あるいは、のどや目の症状は呈さずに「胃腸炎」の原因になるもの、など同じアデノウイルスでも引き起こす症状にはバリエーションがあります。

好発年齢:幼児から学童ですが、看病している保護者、つまり成人にもしばしば感染します。

診断法:臨床症状から診断されますが、最近はアデノウイルス抗原の迅速診断キットで確定することも多いです。のどや目の結膜を綿棒でこすって調べます。

治療法:アデノウイルスに対する特別な治療薬はなく、対症療法のみとなります。

予防法:飛沫感染、接触感染するので手洗い、プール前後のシャワーの励行などの一般的な予防法が大切です。子どもの集団生活の場面では、プール外でも接触感染が成立している場合も多く見られます。

  登校(園)基準:発熱、咽頭炎、結膜炎などの主要症状が消失した後2 日を経過するまで出席停止です。「咽頭結膜熱」

  以外の症状の時のアデノウイルス感染症(咽頭扁桃炎のみや胃腸炎の時など)の時は、主治医の先生とよく相談して

  決めましょう。